色無地

実家の和箪笥を整理していたら地模様の反物が出てきた。

まだ染める前で真っ白。

地には松とか紅葉とかが織り込まれている。

娘の色無地にしようかな。

 

日曜に姉が実家に来ていたので、

「コレもらっていい?」て聞いてみた。

姉が言うには、私が大学の卒業式で着た色無地と一緒に買ったらしい。

私の分だけサーモンピンクに染めて、もう一つは黄色に染めるつもりがそのままになっていたらしい。

 

大学の卒業式には袴をはいた。

上はサーモンピンクの色無地。

その頃、母が着物に凝っていて呉服屋さんが家に出入りしていた。

色選んだ時のこと覚えていないなぁ。

母の友人が仕立ててくれた。

 

大学4年の時、ほとんどほとんど単位も取り終えていた。

卒業論文のゼミくらいしか大学に行っていなかった。

暇だから母の友人のところに和裁を習いに行っていた。

着物の下に着る長襦袢を自分で縫いなさいって。

4人くらい母の世代くらいの人が集まって、着物を縫っていた。

そんな中にお弁当持ちで丸一日、朝から夕方まで。

長襦袢二枚くらい縫ったかな。

「運針もできない」って針の持ち方から習って。

反物にはさみを入れるのが一番緊張した。

 

その時作ってもらった色無地は子たちの卒業式で活躍してくれている。

もちろん、自分で縫った長襦袢も。

 

娘の色無地は何色になるのかな。